「スマートウォッチなんて、どれも似たようなものでしょ」——そう思っていた方に、一つ聞いてみたい。あなたが今使っているスマートウォッチで測る血圧値は、医療機関で使われる水準の数字ですか?
HUAWEI Watch DとWatch D2は、その問いに「YES」と答えられる数少ないウェアラブルデバイスです。どちらも日本の管理医療機器認証を取得した、本格的なウェアラブル血圧計。腕時計型でありながら、内部にポンプとエアカフを内蔵した物理的な加圧で血圧を計測します。
心拍センサーで「血圧に近い値を推定する」だけの一般的なスマートウォッチとは、設計思想がまるで違います。
この記事では、HUAWEI Watch DとWatch D2の違いを整理しながら、格安スマートウォッチとは月と太陽くらいの差があることを説明いたします。
HUAWEI Watch DとWatch D2の違い「血圧が測れるスマートウォッチ」は全部同じじゃない
Amazonで「血圧 スマートウォッチ」と検索すれば、数千円から買えるデバイスがずらりと並びます。でも、その多くは光学センサーで脈波を読み取って血圧に近い数値を推定しているだけです。精度は機種や個人差によって大きくばらつき、医療の現場で使われる水準には達していません。
HUAWEI Watch DとWatch D2は違います。内部に組み込まれた小型ポンプとエアカフが実際に手首を加圧し、正確な血圧値を計測します。そして日本において管理医療機器認証(自動電子血圧計)を取得しています。
これは「なんとなく健康管理に使える腕時計」ではなく、「医師に見せられるデータを記録し続けるウェアラブル医療機器」です。そこをベースに理解したうえで、Watch DとWatch D2の違いを見ていきましょう。
HUAWEI Watch DとWatch D2のスペックの違い
2機種の違いを一覧にしました。「医療機器としての基本性能」が共通である一方、スマートウォッチとしての完成度に差があることが見えてきます。
HUAWEI Watch DとWatch D2のスペックの違いは価格以外では、血圧自動測定、Bluetooth通話、ワイヤレス充電方法、ディスプレイサイズ、そして軽さです。
| 比較項目 | Watch D (2022年6月発売) | Watch D2 (2025年2月発売) |
|---|---|---|
| 価格(目安) | 約44,000円(現在値下がり傾向) | 約49,500円 |
| 管理医療機器認証(血圧計) | ○ | ○(同じ) |
| 血圧自動測定 | ×(手動のみ) | ○(最短15分間隔で自動計測) |
| GPS(単独使用) | ○(搭載) | ○(搭載) |
| Bluetooth通話 | × | ○ |
| ワイヤレス充電 | ○(HUAWEI独自ワイヤレス充電) | ○(Qi対応・汎用ワイヤレス充電器使用可) |
| ディスプレイサイズ | 1.64インチ AMOLED | 1.82インチ AMOLED(輝度1,500nit) |
| 本体サイズ | 51×38×13.6mm | 48×38×13.0mm(高さ3mm短縮・薄型化) |
| 重量(バンド除く) | 約36.7g | 約32.4g(約4g軽量) |
| バッテリー(通常使用) | 最大7日 | 最大6日 |
| バッテリー(自動血圧測定時) | — | 最大1日(15分間隔測定時) |
| 心電図ECG | ○ | ○(同じ) |
| 血中酸素(SpO2) | ○ | ○(同じ) |
| 睡眠モニタリング | ○ | ○(HUAWEI TruSleep™) |
| 皮膚温度検知 | ○ | ○(同じ) |
| ストレスモニタリング | ○ | ○(同じ) |
| ワークアウト | 70以上のモード | 70以上のモード(同じ) |
| 防水 | IP68 | IP68(同じ) |
| 常時点灯(AOD) | ○ | ○(同じ) |
| 連携アプリ | Huawei Health | Huawei Health(同じ) |
| 対応OS | iOS・Android | iOS・Android(同じ) |
Watch DとWatch D2の主な違いを掘り下げる
① 血圧自動測定:Watch D2から初めて実現した「ずっと測り続ける」機能
Watch Dの血圧測定は手動のみです。自分でアプリを起動して「測定」ボタンを押す必要がありました。この方式でも記録はできますが、「高血圧が気になる時間帯に測れているか」「睡眠中の血圧が上がっていないか」といった情報は取れませんでした。
Watch D2では最短15分間隔の自動血圧測定が可能になりました。ボタンを押さなくても、設定しておくだけで一日中、手首が血圧を記録し続けます。「仮面高血圧(診察室では正常でも日常生活では高い)」や「夜間高血圧」のように、特定の時間帯に血圧が上がるパターンを見つけるためには、この自動測定が不可欠です。
ただし、自動測定をオンにするとバッテリーは最大1日になります。通常使用の6日と比べると大幅に短くなるため、毎日充電が必要になる場面もあります。「常時自動で記録したい日」と「バッテリーを長持ちさせたい日」を使い分けるのが実用的な運用です。
② GPS:どちらも搭載。Watch D2はQi対応でワイヤレス充電の自由度が上がった
Watch D・Watch D2ともにGPSを搭載しており、スマホなしでランニングや自転車の走行ルートを記録できます。この点は両モデルで共通です。
充電方式についてはWatch DはHUAWEI独自のワイヤレス充電方式、Watch D2はQi規格対応のワイヤレス充電に対応しています。Watch DはHUAWEI純正の充電クレードルが必要なのに対し、Watch D2はQi対応の汎用充電パッドが使えるため、スマートフォンなど他のデバイスと充電パッドを共用できる点で利便性が高まっています。
③ Bluetooth通話:Watch D2はそれ単体で電話ができる
Watch D2にはBluetooth通話機能が搭載されており、スマートフォンが近くにあればウォッチ本体のマイクとスピーカーで通話できます。Watch Dにはこの機能がありませんでした。
「手が離せない作業中に着信がきた」「スマホをカバンにしまったままで電話を受けたい」——そういう場面でウォッチから直接応対できる実用性は、使い始めると手放しにくい機能です。なお、LINE通話には対応していないため、あくまで通常の電話発着信のみである点は注意が必要です。
④ ワイヤレス充電:Watch D2はQi対応で汎用性が上がった
Watch DもWatch D2もワイヤレス充電に対応していますが、規格が異なります。Watch DはHUAWEI独自方式のワイヤレス充電クレードルが必要なのに対し、Watch D2はQi規格に対応しており、市販のQi対応充電パッドが使えます。
Watch D2のQi対応により、スマートフォンや他のQi対応デバイスと充電パッドを共用できるようになりました。「充電パッドを一つ置いておけばウォッチもスマホも充電できる」という環境が整い、専用クレードルを別途持ち歩く必要がなくなります。旅行・出張の際の荷物が減る効果もあります。
⑤ ディスプレイと薄さ・軽さ:3年分の進化が凝縮
Watch Dのディスプレイは1.64インチ、Watch D2は1.82インチにサイズアップしました。輝度は最大1,500nitで、屋外の直射日光下でも視認性が高くなっています。
本体サイズはWatch Dが51×38×13.6mmに対し、Watch D2は48×38×13.0mmと高さが3mm短縮され、厚みも薄くなりました。重量もバンド除きで約36.7gから約32.4gへ約4g軽量化されています。血圧計のポンプ機構を内蔵しながらこのサイズ感を実現したことは、3年間の技術的な積み重ねを如実に示しています。
「安いスマートウォッチで十分」は本当か——Watch Dシリーズが持つ意味
数千円のスマートウォッチを否定したいわけではありません。通知の確認、歩数のカウント、睡眠時間の計測——そういった用途なら、低価格帯のデバイスで十分に対応できます。
でも、こんな疑問を感じたことはないでしょうか。
- 「スマートウォッチの血圧値が、かかりつけ医で測る値と全然違う」
- 「ランニング後に心拍数がおかしな数値を示した。測定ミスなのかどうかわからない」
- 「親に健康管理用として渡したいが、家庭用血圧計との数値の乖離が気になる」
HUAWEI Watch DとWatch D2が「医療機器認証」を取得しているという事実は、「その数値を信頼して医療上の判断に使える」という意味を持ちます。測定精度に不安を感じながら使うのではなく、「これは病院のデータと同等に扱えるデータだ」という確信を持って記録できる。それは高価な体重計と安価な体重計の「単なる価格差」ではなく、信頼できるデータかどうかの根本的な違いです。
血圧は、自覚症状がほとんどないまま体を蝕む「沈黙の殺人者」とも呼ばれます。毎日の記録を医師に見せて「最近こんなパターンがあります」と伝えられる——そのためのデバイスとして、Watch DシリーズはApple WatchやGalaxy Watchとも、数千円のノーブランドウォッチとも、まったく異なるカテゴリーに立っています。
Watch D(初代)を選ぶ人
医療機器認証の血圧計としての基本性能があれば十分で、コストを抑えたい方向けです。
- 血圧測定は1日に数回、自分で測定するスタイルで十分
- ランニングなどの運動記録はGPS単独で問題なく使える(GPS搭載)
- Bluetooth通話機能は不要
- Qi対応の汎用ワイヤレス充電には対応していなくてよい(HUAWEI専用クレードルで十分)
- 価格が下がっているWatch Dを選んでコストを抑えたい
- バッテリーを7日間持たせたい(自動測定をしない前提)
ただし、すでにネットショッピングでは中古しか見つからないため、メルカリなどで探す必要があります。
品番的に非常に見つかりにくい(「D」で探すと「D2」が多く検索結果で出てくる)ため、大変かもしれません。
Watch D2を選ぶ人
「腕時計が勝手に体を監視し続ける」という体験を求める方、スマートウォッチとしての完成度も重視する方向けです。
- 血圧を自動で継続測定して、日常生活のパターンを把握したい
- 仮面高血圧・夜間高血圧など、特定時間帯の血圧上昇が気になる
- Qi対応の汎用充電パッドでスマホと一緒に充電したい
- ウォッチから直接Bluetooth通話ができる利便性を求めている
- 3年の進化をすべて取り込んだ現行最新モデルを長く使いたい
- 親や家族の健康管理のために贈りたい(データの信頼性が確保されている)
よくある疑問
Q:Watch D・D2で測った血圧値は、病院の血圧計と同じ精度ですか?
どちらも日本の管理医療機器認証(自動電子血圧計)を取得しています。ただし、腕時計型という特性上、装着のしかたや手首の位置によって測定値に差が出ることがあります。正確な測定のためには正しい装着方法に従うことが重要です。公式の着用ガイドに従って装着し、測定時は安静にした状態で計測することで、信頼性の高いデータが得られます。
Q:Watch D2の自動血圧測定をオンにすると本当にバッテリーが1日になりますか?
はい。HUAWEI公式の仕様では、自動血圧測定を有効にした場合(15分間隔)はバッテリーが最大1日と記載されています。「毎日充電しても24時間監視したい日」と「バッテリーを持たせて通常使用する日」を使い分けることが、実用的な運用です。特に医師への提出前や気になる日に集中的に自動測定するという使い方もできます。
Q:iPhoneでも使えますか?
はい。Watch D・Watch D2ともにiOS・Android両方に対応しています。ただし、連携アプリは「HUAWEI Health」で、App StoreまたはGoogle Playからダウンロードします。一部のユーザーレビューでは「GoogleプレイやApp Storeとは別のHUAWEIのエコシステムに入ることになる点が気になった」という声もありますが、健康データはHUAWEI Healthアプリ内で一元管理できます。
Q:Watch D2は睡眠中の血圧を自動で測定できますか?
自動血圧測定(最短15分間隔)は睡眠中も継続して動作する設定が可能です。ただし、睡眠中の連続自動測定を行う場合はバッテリー消費がさらに増加します。「夜間高血圧のチェックをしたい日」に集中して自動測定をオンにするという使い方が、バッテリー管理の観点から現実的です。
まとめ:HUAWEI Watch DとWatch D2の違い
2機種の違いを整理します。
- 血圧自動測定:Watch Dは手動のみ。Watch D2は最短15分間隔の自動計測が可能(自動測定時バッテリー最大1日)
- GPS:両モデルとも搭載。スマホなしで運動ルートを記録可能
- Bluetooth通話:Watch Dはなし。Watch D2はウォッチ単体で通話可能
- ワイヤレス充電:Watch DはHUAWEI独自方式。Watch D2はQi対応で汎用充電パッドが使用可能
- ディスプレイ・サイズ・重量:Watch D2は1.82インチに拡大・高さ3mm短縮・約4g軽量化
- 共通の強み:管理医療機器認証取得の血圧計・心電図ECG・血中酸素・睡眠・皮膚温度・ストレス・70以上のワークアウト・IP68防水
Watch Dは「医療機器として血圧を記録する」という本質に特化した先駆者。Watch D2は「その本質を持ちながら、スマートウォッチとしての完成度を大幅に上げた進化版」です。
「血圧が気になる」「家族の健康を見守りたい」「運動しながら体をトータルで管理したい」——その目的を、安価なスマートウォッチが提供できないレベルの信頼性で実現するのが、このシリーズの存在意義です。手首に、信頼できるデータを。
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